地球温暖化の現状

地球温暖化とは

地球温暖化とは、⼤気中に含まれる⼆酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」が、⼤気中に放出され、地球全体の平均気温が上昇している現象のことです。近年の⼈間の活動や産業の活発化により温室効果ガスの排出量が増えた結果、余分な熱が宇宙に放出されず地球にこもった状態になったことが、地球温暖化の原因とされています。

地球温暖化の影響

地球温暖化が進⾏すると、極端な気温の変化や異常気象による集中豪⾬などの災害の頻発、海⾯上昇による居住地の損失などが引き起こされます。私たちの⽣活においても、近年の台⾵や集中豪⾬による災害や、気温上昇による熱中症のリスクなど、⾝近な問題となっています。

イラスト:集中豪⾬による災害のイメージ
イラスト:気温上昇による熱中症のリスクのイメージ

愛媛県でも進む温暖化

愛媛県では1890年から2020年の過去130年間において、年平均気温が100年あたり1.8℃上昇しています。地球温暖化対策を何もしない場合、2100年頃には2000年に⽐べて、年平均気温は約5℃上昇すると予測されています。

平均気温の上昇だけでなく、真夏⽇や無降⽔⽇の増加、冬⽇が減少しており、地球温暖化による気候変動を確認することが出来ます。

グラフ:松山の年平均気温の変化

影響の現状

気候変動により、2018年7⽉の⻄⽇本豪⾬災害をはじめとする甚⼤な⾃然災害の発⽣、熱中症による救急搬送⼈員数の増加、農作物の品質低下など、⽇常の県⺠⽣活や主要な地域産業に影響が広がっています。

事例1.果物の品質低下

愛媛県は、瀬⼾内海地域の地理的な影響を受けた気候のため、降⽔量は⽐較的少なく、相対的に乾燥しています。

しかし、降れば⼟砂降りといった気象が続くため、柑橘類では果物の浮⽪(果⽪と果⾁が分離した状態)や裂果(⾝が割れる現象)が多く発⽣し、品質が著しく低下しやすくなっています。

写真:温州みかんの浮皮果(左)と正常果(右)

事例2.熱中症の影響

熱中症による救急搬送⼈員や熱中症死亡者数が全国的に増加しており、愛媛県においても、救急搬送⼈員数は増加傾向にあります。

また、⾼齢者は住宅内で多く発症し、重症化しやすい傾向にあること、若・中年層は、屋外での労働時やスポーツ時に発症することが多いことが報告されています。

グラフ:熱中症による救急搬送人員数の推移(消防庁のデータを加工)

愛媛県の「地球温暖化対策実⾏計画」

愛媛県では、こうした状況をふまえ、地球温暖化対策を更に推し進めるため「愛媛県地球温暖化対策実⾏計画」を定めています。温室効果ガス排出量の削減⽬標を以下のとおり設定し、県⺠・事業者・⾏政が⼀体となって県⺠総ぐるみで地球温暖化対策に取組みます。

⻑期⽬標

2050年までに温室効果ガス排出量

実質ゼロ

中期⽬標

2030年までに温室効果ガス排出量

46%削減 (2013年度⽐)

⽬標設定とともに、温室効果ガスの排出量を削減する「緩和策」と、温暖化による影響に対して被害を最⼩限に抑えていく「適応策」を両輪とした総合的な対策を⽴て、地球温暖化対策を推進しています。