脱炭素経営の意義とメリットとは?
企業が脱炭素に取り組む必要性
愛媛県はエネルギー多消費型の産業の割合が高く、県全体での二酸化炭素排出量の約6割が工場などの産業分野から排出されています。全国と比較しても、倍に近い産業分野の二酸化炭素排出量や熱・電力などのエネルギー消費量が見られます。
これまでも各事業者で省エネ化や温室効果ガス削減に向けた取り組みが行われ、二酸化炭素排出量は減少傾向にあるものの、より一層のエネルギー効率の向上、エネルギー管理の徹底などが求められます。
また近年では、サプライヤーに対して二酸化炭素の排出削減を求める企業が増加していることや、脱炭素への取組みが金融機関・投資家の投融資の判断における重要な指標の一つとなりつつあることなどから、企業経営における脱炭素の重要性が増大しています。
脱炭素経営のメリット
「脱炭素経営」とは、気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のことです。光熱費や燃料費の低減などの収益改善だけでなく、知名度の向上や資⾦調達の優遇などビジネスチャンスにつながる取組みです。
経済産業省は、中小企業が脱炭素経営(カーボンニュートラル)に取り組む5つのメリットを以下のように提⽰しています。
脱炭素経営に取り組む5つのメリット
- エネルギーコストの削減
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設備投資や⽣産プロセス等の改善などによりエネルギー使⽤量が削減されるため、光熱費や燃料費を抑えることができます。
- 競争⼒の強化取引先や売上拡⼤
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サプライヤーに対して排出削減を求める企業も増加しているため、そうした企業に対する⾃社や⾃社製品の訴求⼒向上につながります。既存の取引先と強固な関係性を構築できるだけでなく、新規取引先の獲得につながる可能性もあります。
- 知名度・認知度の向上
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省エネや脱炭素に取り組んで排出削減を達成した企業は、メディアや⾏政機関等から先進的事例として紹介されたり、表彰対象となったりすることを通じて、⾃社の知名度・認知度の向上につながる場合もあります。
- 資⾦調達において有利に働く
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投資や融資の際に、気候変動対応をどのように⾏っているかが重要視されるようになっており、⾦融機関において脱炭素経営を進める企業を優遇するような取組も⾏われています。
- 社員のモチベーション・⼈材獲得⼒向上
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気候変動という社会課題に取り組む姿勢を⽰すことで、社員の信頼や共感を獲得し、社員のモチベーション向上につながります。また、気候変動問題への関⼼が⾼い⼈材からの共感・評価も得られ、⼈材獲得⼒の強化にもつながります。
経済産業省「中⼩企業等のカーボンニュートラル⽀援策」
愛媛県でも、脱炭素経営を単なるコスト・負担とせず、企業の収益改善や新たなビジネス展開につながる視点を重視した企業支援に取り組んでいます。